書評『失われた宗教を生きる人々 中東の秘教を求めて』ジェラード・ラッセル著 臼井美子訳 亜紀書房

想像していた内容とは違っていたが、面白い ただアマゾンの宣伝文句には「衝撃のルポルタージュ」とあるが、これはルポルタージュじゃなくてノンフィクションでしょう。「亜紀書房翻訳ノンフィクション・シリーズ」のうちの一冊です。ちなみにルポルタージュとノンフィクションの違いは大きな書店に行けばわかります。ルポルタージュは「社会科学」の棚に、…
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テロの原因は宗教ではないが、テロは宗教的規範性を帯びる(こともある)

「宗教とテロは関係ない」という言い回しがある。まことに良識的に聞こえるし、そう言ってりゃあ宗教テロリストに襲われる確率もグッと減るので便利でもある。 これが「宗教はテロの原因ではない」という表現ならば、当ブログの書き手も(ほとんど)同意する。 例えば同じような鬱屈を抱えざるを得ないような環境で育った青年でも、出身地がイギリスだったら…
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預言者侮辱動画に典拠あり:最古のムハンマド伝と最も著名なコーラン注釈書

前回に引き続き旧聞ネタ。例の預言者侮辱動画についてです。 「Innocence of Muslims」で検索すると、今でもみることができます。 これは一見そうみえるよりも結構手が込んでいます。 この動画で最も悪名高い場面の一つは、ムハンマドの命令に従って彼の部下がムハンマドを批判する老婆の両足を二頭のラクダに結び付けて股を引き…
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男女と前後と襞(ひだ)の数、および戦争

おひさしぶりです。ほぼ一年ぶり。 以下は去年の7月に書きかけてそのままにしていたものをもとにしています。旧聞ご容赦ください 2012年7月17日(火)の朝日新聞に、インドネシアにおける同性愛を扱った記事が掲載された。一部は以下のサイトで読めます 「イスラムのタブーにもがく インドネシアの同性愛者ら」 http://www…
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付け爪で傷がつくほど「グランド・ムフティ」はヤワじゃない

久しぶりに更新します。 当ブログ2011年1月22日の記事には東京財団上席研究員の佐々木良昭氏のサイト「中東Today」への言及がある。チュニジアの政変を予想していた事について好意的に取り上げたのだが、今回は対照的に「そりゃ違うよ!」と突っ込みを入れたくなる記事を見つけたのでご紹介する。 「中東Today」「NO・2273「サウジア…
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ムハンマドと薔薇は、名のみ残れり

 前回に引き続き、『1冊でわかるファンダメンタリズム』(マリーズ・リズン著 中村圭志訳 岩波書店)について。 本書85ページには、以下の引用がある。 「[マイケル・クック、パトリシア・クローン、そしてマーティン・ハインズは]公式のイスラーム史の全体が少なくともアブドゥルマリクの時代(六八五-七〇五)以降のものであると考えている…
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岩波のこれって誤訳じゃね?

岩波書店が刊行した『一冊でわかるファンダメンタリズム』(マリーズ・リズン著 中村圭志訳)を読んでいて、ほほう、あらら、と感じたことをご報告する。82―84ページを引用する。傍点は省略した。 「文献資料、考古学的資料、そして初期のキリスト教徒修道僧の記録などイスラーム外の資料に基づいて、主に英国やドイツに本拠を置く修正主義的歴史学派…
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シナイ山は吊り上げられ、ノアの洪水は煮えたぎった。タムルードのコーランに与えた影響

前回に引き続きコーランから、タルムードの影響を受けたと思われる箇所を紹介します。以下、訳注を一部省略した。太字は原文のまま。 コーラン7章170節を引用します。「我ら」とはアッラーの自称です。 「さて、我らがあの山(シナイ山)を天蓋のごとく彼らの頭上でぐらぐらゆすって見せたとき、彼らは、いまにも自分たちの上に崩れ落ちてくるのでは…
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虫食い「タルムード」を下敷きにした(?)コーラン

コーラン12章は「ユースフ」と題されており、これは旧約聖書に出てくるヨセフのアラビア語名である。この章は旧約聖書「創世記」37章以下のいわゆる「エジプトのヨセフ物語」に相当する物語であるが、興味深い相違点があり、それがユダヤ教の聖典注釈「タルムード」に由来する、というのが今回のお話。タルムードの日本語訳で直接確認できる箇所を選びました。…
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「女というものは汝らの耕作地」は解放の言葉だった、が

当ブログの2011年3月6日の記事「デタラメな支配者と現金な坊さん」にご登場いただいたウラマー(イスラム法学者)のアル・カラダーウィーに関する詳しい情報が『中東戦記 ポスト9・11時代への政治的ガイド』(ジル・ケペル著 池内恵訳 講談社選書メチエ)に載っている。 112-116ページの「テレビ説教師カラダーウィーの名声」 と 11…
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アーイシャたんの軽過ぎるハディース否定

前回の続きですが、まずは復習です。ハディースとはイスラム教の預言者ムハンマドらの言行録で、ムスリム・イブン・アル・ハッジャージュとアル・ブハーリーの編纂したハディースはともに、イスラム教徒の九割を占めるスンニー派から「真正」であると考えられている。前者の日本語訳が『日訳 サヒーフ ムスリム』(日本ムスリム協会)、後者の日本語訳が『ハディ…
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伝承されるべきでなかったハディース(伝承)

イスラム教ネタに復帰いたします。 「ハディース」とは、イスラム教の預言者ムハンマドらの言行録であり、イスラム教徒にとって自分たちの行動の模範、イスラム法における法源として、根本経典コーランに次ぐ権威が認められている。特にアル・ブハーリーとムスリム・イブン・ハッジャージュが編集したものは、イスラム教徒多数派のスンニー派から「真正」で…
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丸山眞男は白柳秀湖の徂徠論を知っていた。

前回の文章を掲載し終えてから、グーグル・ブック検索で白柳秀湖の情報を調べていたら、『丸山眞男講義録』のデータが出て来て、私は自分の目を疑った。というのは、事前に『丸山眞男著作集』の索引に白柳の名が無いことから、丸山は白柳のことを知らなかった、という前提で、私は前回の文章を書いたからである。 で、調べてみました。以下は『丸山眞男講義録 …
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カール・マルクスを賞讃する本が、戦争中に発行されていた

 初の非イスラム教ネタを行きます。でもまあ、当ブログのメインテーマと間接の間接ぐらいには関係がありますので。  思想史を勉強する学生が必ず読まされる書物のうちの一つに、丸山眞男の『日本政治思想史研究』(東京大学出版会)がある。その第一章が「近世儒教の発展における徂徠学の特質並にその国学との関連」。幕府公認の朱子学は天地から人間世界にま…
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コーランの章句の「破棄」について

前回の続きです。一部前回と重複していますが、手打ちしたのを消すのは忍びないので(涙)このままにしておきます。コーランの章節表示は岩波文庫版によったが、『タフスィール・アル=ジャラーライン』の採用している章節表示とは異なる場合がある。また、日本語訳にも相違がある。また、ローマ字の添え字記号を省略した。 コーラン2章214節。「神聖月…
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イスラム教の寛容は非寛容によって破棄された。コーランの「剣の節」について

前回後半の続きです。 Ibn Warraqの”Why I am not a Muslim”(Prometheus Books)115ページを拙訳から再度引用します。 「今や、破棄の教理が学者を困難から救出するうえで、どれほど役に立ち、便利であるかを見ることができる。もちろん、それはイスラム教擁護者に問題を提起する。なぜなら、寛容…
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「読誦法」によって動作の主体が神にも悪魔にもなる「唯一の書」コーラン

今回は一見地味ですが、結構大きなネタなので、できれば上記タイトルと関係のありそうな当ブログにおける以前の記事に目を通してから読んでいただけるとありがたい。左上の「全て」をクリックすると全タイトルがでますが、特に関係するのがこちらやこちらやこちらですね。 岩波文庫版『コーラン』から47章27節を引用します。 「こうして御導きが…
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究極的真理を体現する者/物は無い。書物だろうと同じことだ

岩波書店から刊行された『1冊でわかるイスラーム』(マリーズ・リズン著 菊地達也訳)には鋭い指摘が散りばめられており、読んでいるとしばしば「ほう」と感嘆の声をあげたくなる。いかにも初心者向けの入門書らしい題名で損をしているのではないかと思うくらいだ。原題も ”ISLAM : A Very Short Introduction” だから、し…
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あまりにも「人間的」なムハンマド

岩波文庫訳コーラン66章1~5節に付せられた訳注を「ムハンマド、リア充で引きこもり」に引用しましたが、追加情報があるので、再掲します。 「マホメットは多数の妻に不公平にならぬよう順々に日をきめて行くことにしていた。或る日――それはハフサという妻の日だった――彼はハフサをそっちのけにしてエジプトの女奴隷マリアと交っているところをハフ…
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『預言者ムハンマド伝』(岩波書店「イスラーム原典叢書」)が、「すごい」

「神の使徒は言った。 「殺せるユダヤ教徒は殺してしまえ」。 そこでムハイイサ・ブン・マスウードは、ユダヤ教徒の商人イブン・スナイナを襲って、殺した。イブン・スナイナは、ムハイイサたちの親友で、商売仲間であった。  ムハイイサの兄フワイイサは、そのとき、まだ改宗していなかった。弟がユダヤ教徒を殺すと、フワイイサは殴りつけて、言った。…
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版によって神学的意味が逆になる「唯一の書」コーラン

前回の続きですが、こちらやこちらとも関係があります。以下、強調はすべて私による。  コーランという書物は、書き手が誰であれ、首尾一貫した神学思想に貫かれている書物ではありません。人間の自由意志についても、肯定的な箇所と否定的な箇所がある。  以下、コーランの翻訳と章節表示は岩波文庫版に依る。振り仮名の一部を括弧内に入れ、訳注を一…
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イスラム教における人間の自由意志について論じるための長い余談

すべての一神教において共通して問題になるのが、人間の「自由意志」である。 もし神が唯一かつ全能であるのなら、ある者が神を崇拝し、別の者が崇拝しないという事実は、神の決断による結果であるはずだ。ならば、なぜ神はそれらの者を裁き、天国や地獄に入れるのだろう?自分の意のままになる木偶人形と、それらがいっとき跳ねまわる舞台をこしらえて、自らの…
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ゾロアスター教はすべての一神教の元ネタである。エヴァもまた。

ゾロアスター教の聖典「アヴェスター」の「ハーゾークト・ナスク第二章」が「魂の運命」と題されて、日本語訳されており、筑摩書房『世界古典文学全集 3 ヴェーダ アヴェスター』に収録されている。「義者が逝世するとき」何が起きるかを同書380ページから引用しよう。引用文中の「ダエーナー」は一般に「教法」と訳されるが、この部分がその意味かどうかに…
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外国からの警告を受け付けない構造的理由

昨日に続いて「ナショナル ジオグラフィック 日本版」の記事を紹介します。 今回は2003年10月号の特集記事「サウジアラビア」より。 「「かつてイスラム世界は、科学技術の分野で最高の業績を誇っていました」と、サウジで最大の国立アブドゥル・アジーズ国王図書館を案内してくれた高級官僚は言った。「しかし、それは1000年も前の話です」…
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アッラーの怒りに関する近況報告

雑誌「ナショナル ジオグラフィック 日本版」2007年9月号の特集記事「パキスタン」より99ページを引用します。以下すべて強調は引用者による。 「米国のマサチューセッツ工科大学で学び、現在は首都イスラマバードのカイディアザム大学で講義を担当する原子物理学のパルペズ・フードボーイ教授は、パキスタンの公教育のお粗末さを痛感しているとい…
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デタラメな支配者と現金な坊さん

一月下旬にチュニジア騒乱の話題から始まった当ブログも、論点は時間をさかのぼりつつ進み、昨日にはついにイスラム教の預言者ムハンマドの実在を疑問視する理論の紹介にまでいたりました。 ここで一旦仕切り直しをし、目を現代に移します。以下、太字はすべて私による。 こんなニュースを見かけた。 「「民衆に合流せよ」軍将校団がカダフィ氏排除を兵士…
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歴史的にムハンマドは実在したのか、形成されたのか?

前回のような考えをさらに一歩進めれば、当然「ムハンマドも実在しなかった」という結論を出す学者が出ても不思議ではない。  しかし、イスラム神学を教える大学教授のイスラム教徒が「歴史的ムハンマドの実在」を前提視しないと言いだしたのには驚いた。 電子版2008年11月15日付けの「ウォールストリート・ジャーナル」は「Professor H…
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アーイシャたん非実在説

前回に引き続き、『1冊でわかるコーラン』(マイケル・クック著 大川玲子訳 岩波書店)を引用します。 「場所に関しては、次の句を考えてみよう。 ルート〔聖書の「ロト」〕もまた、遣わされた者の一人である。我々は、彼やその民のすべてを救い出した。後に残った者のなかにいた老婆以外は。その後、我々は他の者たちを破滅させた。汝らは、朝晩…
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コーランにない死刑をどうやって?

前回の続きです。 ブハーリーが編纂したムハンマド等の言行録「サヒーフ・アル・ブハーリー」の日本語訳である『ハディース イスラーム伝承集成』(中公文庫)の石打ち刑に関する項目を読んでいると、コーランに存在しない種類の死刑に関する規定を正当化しなければならないために、非常にアクロバティックな議論が展開されていることに気付く。その一例は前回…
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「コーランの章句は失われた」というのがイスラム教多数派の共通理解

時おり、イスラム教圏から、「石打ち刑」に関するニュースが飛び込んでくる。2007年にはアラブ首長国連邦で執行され、2010年にはイランで判決が下され国際世論の反対を受けて執行が延期されている。  石打ち刑とは、既婚者の姦通に対する死刑であり、死刑囚の半身を地面に埋めて、規定された大きさの石をまず姦通の目撃者が、次いで係官が、最後に…
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版によって、意味が逆になる「唯一の書」コーラン

前回は、文法的な話でしたが、今回は、イスラム教徒の言う「『読誦法』の違い」によってコーランの意味が逆になってしまうというお話。 岩波文庫訳のコーラン14章47節を引用します(以下強調はすべて私による)。 「彼らは盛んに悪だくみをした。彼らのたくらみの(報復は)アッラーの御手のうちにある、たとい彼らのたくらみが山をも動かすほど…
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版によって、母音も子音も異なる「唯一の書」コーラン

前回の続きです。以下強調はすべて私による。 Ibn Warraqはその著書 “Why I am not a Muslim”(Prometheus Books)の108ページで、 「コーランなどという物はない。この神聖な書物の確定したテクストが存在したことは決してなかった。イスラム教徒がコーランは神の言葉だと独断的に主張する時…
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『日亜対訳注解聖クルアーン』は脚注が面白い

 コーラン日本語全訳のうち、イスラム教徒による初の翻訳が、三田了一の手になるものである。これは元来は『日亜対訳注解聖クラーン』として「日訳クラーン刊行会」から1972年に発行されたが、1982年に改訂版が『日亜対訳注解聖クルアーン』として刊行された。現在「日本ムスリム協会」から入手可能なソフトカバーの縮刷版は、この改訂版によるものである…
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アーイシャたんの鋭い突っ込み力について

 前々回の続きです。 まずは、岩波文庫訳のコーラン33章を引用します。「我ら」と名乗る話者はアッラーで、「汝」「お前」とはムハンマドという設定です。訳注は必要最小限度のもの以外は省略しました。 「アッラーは人間の体の中に二つの心臓をお入れにはならなかった。またお前らが離縁する妻が本当にお前らの母親になるわけではなし、養子が本当の…
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豚の鼻の穴から鼠が出た話

 今日は、前回の補足と小ネタです。「養子の妻との結婚について」は後に回しますので、お許しを。  前回に書いたように、コーラン66章2節には「そのような誓いは反故にしてしまうようにとのアッラーのお達しが出たぞ」とあります。一旦誓ったことも、アッラーの許しがあれば反故にできるのです。それだけではない。 コーラン16章93節には「…
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ムハンマド、リア充で引きこもり

前回引用した『ハディースⅥ』(中公文庫 42~43ページ)によると、コーラン66章の1~5節は、ムハンマドがザイナブの所で「蜜」を飲んでいたのが、アーイシャ等にばれてしまい、「もう決してしない」とムハンマドが言ったことに関する、アッラーの言葉だということになっています。念のため、コーランの該当部分を引用しましょう。訳注と振り仮名を省略し…
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蜂蜜の臭いは、「はげしい」か?

前回も引用したイスラム教の預言者ムハンマドの言行録を再掲します。 「第二の夫がお前の蜜をなめ、またお前が彼の蜜をなめるまでは、お前は第一の夫と結婚することは許されない」(『ハディースⅤ』中公文庫 83ページ) この「蜜」という単語の多義性に留意しながら、以下をお読みください。漢数字は岩波文庫訳のコーランの章と節を指し、例えば…
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精と蜜

前回も引用したイスラム教の預言者ムハンマドの言葉を、『ハディースⅢ』(牧野信也訳 中公文庫)の287ページから引用します。 「さらに、子が父母のいずれに似るかについては、夫が妻と交わり、彼女よりも先に射精するとき、子は父に似るが、妻の方が先のときは、子は母に似る」 これを読んで、「下手な翻訳だなあ」と思った方は多いと思います…
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聖書のヤハウェはサタンだった、およびハディースの「魚の肝」について

前回の補足を少々。 スンニー派がどれも真正だと見なしているけど内容が矛盾するハディースについて、その成立順を推測しましたが、同じようなことを、旧約聖書に関して学者が行っているので、紹介します。失敗に終わったダビデによる人口調査について、まずサムエル記下24章1節を引用します。(岩波書店、旧約聖書翻訳委員会訳。振り仮名を一部括弧に入れた…
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矛盾するハディースがどれも「真正」の不思議

前回引用したハディース(イスラム教の預言者ムハンマド等の言行録)を再掲します。以下、強調の太字は引用者による。便宜上冒頭にアルファベットを付します。 A「サフルによると、預言者と多神教徒が合戦した後、敵味方双方がそれぞれの本隊に戻ったとき、一人のムスリムは多神教徒を一人たりとも逃さず、なおも刀を振りかざして彼らを追い続けた。これを…
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自爆テロ犯は地獄行き(か?)

 2011年1月24日の「イスラム教徒にとっての自殺」の続きです。 復習兼予備知識です。 コーラン4章76節「とにかく、現世を棄ててその代りに来世を獲ようと志す者は、大いにアッラーの道に戦うがよい。アッラーの道に戦う者は、戦死してもまた凱旋しても、我らがきっと大きな褒美を授けてやろうぞ。」(岩波文庫訳) (ちょっと本筋…
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コーラン日本語訳は「日本的な女性観」に影響されているか?

 前回の続きであります。  代表的なコーラン注釈書の日本語訳『タフスィール・アル=ジャラーライン』(日本サウディアラビア協会)の最終巻である第三巻の末尾近くには、翻訳者である中田香織氏の文章「「タフスィール・アル=ジャラーライン」におけるクルアーン本文の新たな訳出とその特徴」が収録されている。  これまでアラビア語から日本語に翻訳さ…
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イスラム教における殉教者

まずはコーランからの引用を。岩波文庫の井筒俊彦訳です。振り仮名を括弧内に入れた部分があります。[ ]内は訳者の注記ですが、省略したものもあります。 四章七六節「とにかく、現世を棄ててその代りに来世を獲ようと志す者は、大いにアッラーの道に戦うがよい。アッラーの道に戦う者は、戦死してもまた凱旋しても、我らがきっと大きな褒美を授けてやろ…
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イスラム教徒にとっての自殺

まずは用語解説を。 ハディースとは、イスラム教の預言者ムハンマド等の言行録であり、コーランに次ぐ権威が認められている。ただし、根本経典であるコーランとは違って、複数のハディース集があり、教派によって権威を認めるものと認めないものとがある。以下に引用する『ハディース』(中公文庫)と『日訳 サヒーフ ムスリム』(日本ムスリム協会)は、ど…
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焼身自殺をほめるわけにはいかないが…

 チュニジアの政変が続いている。  権威主義的な統治が多いアラブ諸国で、いずれはどこかで民衆の不満が爆発するだろうとは思っていたけれも、それがチュニジアになるとは思いもよらなかった。私は20年ほど前にチュニジアに行ったことがあるけど、とても暴動が起きるような国には見えなかった。ベン・アリー大統領(当時)が政権を取ってから日が浅く、市街…
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Ibn Wrraqの”Why I am not a Muslim"の日本語訳を作成しました

 Prometheus Booksから出版されている、Ibn Warraq著"Why I am not a Muslim"(『なぜ私はイスラム教徒ではないのか』)の日本語訳を作成しました。現在、全訳の初稿を校正中です。興味を持たれた出版社のご連絡をお待ちしております。メールアドレスはnotamuslim@xqh.biglobe.ne.j…
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